今回は足の裏の痛み母趾種子骨障害について解説していきます。
母趾種子骨
母趾種子骨はMTP関節にある種子骨であり、内外側の2つ存在する。
内側種子骨には短母趾屈筋内側と母趾外転筋が付着し、外側種子骨には短母趾屈筋外側と母趾内転筋が付着する。間には長母趾屈筋が通っており、母趾種子骨は母趾底屈のレバーアームとなり、母趾底屈力を増加させている。主な血行は足底動脈弓から起こる第1足底中足動脈から栄養されている。
母趾種子骨はショックアブソーバーの役割も担っており、前足部には歩行時に体重の約3倍の負荷がかかり、種子骨にはその50%の負荷がかかると言われている。
次に母趾種子骨障害の種類について
母趾種子骨障害
- 疲労骨折
- 急性骨折
- 二分種子骨
- 種子骨炎
- 骨壊死
などが挙げられます。
疲労骨折
クラシックバレエなど裸足で行うスポーツに多く、さらには長距離のジョギングなど前足部に負荷がかかるスポーツで起きやすい。反復する負荷の蓄積で起こる。
まずは安静などの保存加療を行うが、遷延化する場合は種子骨摘出を選択する場合もある。
急性骨折
ジャンプの着地などの直達外力で起こる。疲労骨折と比べると稀である。
二分種子骨
二分種子骨は内側に多く7-30%程度にみられると言われている。
骨折との鑑別が難しく、画像所見や問診などで精査する必要がある。
種子骨炎
画像所見では異常を認めないもので、軽微な外傷の繰り返しで発症する。
その他の疾患が除外されたのちに判断される。
骨壊死
疲労骨折などの外傷を契機に血行が途絶し発症することもある。原因不明のことも少なくない。
以上母趾種子骨障害についてでした。
次回は治療について解説します。