足の裏の痛み 足底腱膜炎①

足の裏が痛くて困ることあると思います。足底痛の原因は様々ですがその一つに足底腱膜炎と言うものがあります。今日は足底腱膜炎について解説します。

 

 

 

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足底腱膜とは

踵骨隆起の内側突起から起こり、MTP関節を越えて各足趾の基節骨底面に停止しており、足アーチの保持に重要な役割を果たしているとされています。

MTP 関節の背屈により足底筋膜の緊張が高まり、縦アーチが増加する現象がみられます。

(windlass mechanism)

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足の臨床 改訂3版より引用

 

 

足底腱膜炎とは

 

足底腱膜へのストレスが過剰になると、同部に変性が起こり、症状が発現すると言われています。病態としては、足底腱膜は踵部接地の際の衝撃を吸収し,足の安定化に大きく寄与している組織です。ランニング・ジャンプなどの動作の繰り返しにより足底腱膜の踵骨付着部に牽引力と荷重による圧力が積み重なり、これらのストレスが過剰になると、同部に変性が起こり症状が発現します。よって、スポーツでは長距離のジョギングなどで発症することが多く、スポーツ以外では長時間の立ち仕事などの過負荷でも発症することもあります。また、足関節の背屈が硬いことも要因の一つです。

足底腱膜炎は、単純な炎症ではなく,足底腱膜自体の変性が踵部痛の出現に関与していることが知られており、消炎鎮痛剤が著効しない場面もあるとされています。

症状としては1歩目の疼痛が有名です。

 

診断:

踵骨隆起内側突起部の圧痛、足関節背屈位で母趾を背屈強制することでの疼痛誘発(Windlass test)が知られています。

単純X線所見では踵骨骨棘を認めることもありますが、無症状例でも約19%に骨棘を認めることもあります。

最近の報告では踵骨骨棘は足底腱膜炎の踵骨部痛の発症に有意に関連することが明らかとなっています。
これらのことから踵骨骨棘は診断の根拠とはなりませんが、疼痛の発症因子となり得ることがわかります。


最近では超音波検査も行われており、足底腱膜の肥厚を認めることもあります。変性による疼痛がメインであるので炎症が少なければ、カラードプラで血流の増加を認めることは少ないです。

 


以上足底腱膜炎の原因ー診断です。

 

 

 

次回は治療なども含め説明していきます。

 

 

今後整形外科関連のおすすめの教科書なども紹介していきます。

 

 

 

宜しくお願い致します。