腰痛について②

前回は腰痛の種類について説明させて頂きました。

 

今回はその続きをガイドラインに沿って説明していきます。

 

 

腰痛と生活習慣

  • 体重に関しては、標準(BMI 18.5〜25.0)より低体重あるいは肥満のいずれでも腰痛発症のリスクと弱い関連が認められ、健康的な体重の管理が腰痛の予防には好ましい。
  • 喫煙と飲酒は腰痛発症のリスクや有病率との関連が指摘されている。
  • 普段運動していない群に腰痛発症リスクは増大する。
  • また、職場などにおける心理社会的因子は腰痛発症や予後に関連する。

 

これらをまとめると

腰痛の予防には健康的な生活習慣と穏やかでストレスの少ない生活が推奨されることになります。

現代社会では難しいところもあるかもしれませんが、適度な運動をしてストレスを解消することは大事なようです。

 

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腰痛の治療について

 

まず安静にするべきか動いた方が良いのかです。

急性腰痛いわゆるぎっくり腰ですが、ベット上安静よりも活動性維持の方が良いと言われております。

米国内科学会のガイドラインでも急性慢性問わず、活動性を維持するように指導すべきと記載されています。

 

しかし、これら全て強く推奨されているものではないので患者個々の状態に応じて考えるべきだと思います。

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薬物治療に関して

 

薬物治療に関しては基本的には推奨されており、薬剤によってその推奨度は様々です。

例えば、急性腰痛に関してはNSAIDs慢性腰痛に関してはNSAIDs、セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬、弱オピオイドが推奨されています。

 

また、物理療法ですが、牽引治療、超音波治療、温熱治療に関しても質の高い研究は少なく、弱く推奨されています。

 

運動療法(リハビリテーション)に関しては慢性腰痛には推奨されているようですが、急性腰痛に対してはまだ明確なことがわかっていないようです。

 

 

注射療法に関しては個々の病態に応じた、椎間板内、硬膜外、神経根ブロックなどの注射に関しては弱く推奨されています。しかしトリガーポイント注射(筋肉注射)に関しては研究が少なく、推奨されていません。

 

 

 

以上腰痛の治療に関してでした。